TAVI(タヴィ)とは?

経カテーテル的大動脈弁留置術のことで、重症の大動脈弁狭窄症に対する新しい治療法です。従来の手術とは異なり、開胸することなく、また心臓を止めることもなく、カテーテルを使って人工弁を患者さんの心臓に留置します。

サピエンXT
デリバリーシステム

エドワーズ社提供

TAVIのアプローチ

TAVIには、2つのアプローチ方法があります。 太ももの付け根の血管から挿入するTFアプローチ(経大腿アプローチ)と 肋間の間を小さく切開し、心臓の先端(心尖部)から挿入するTAアプローチ(経心尖アプローチ)があり、患者さんの状態に適した方法をハートチームが決定します。

TFアプローチ
TAアプローチ

エドワーズ社提供

TAVIの適応

重症のASで、従来の手術が不適当な患者さんに対して、TAVIが一つの選択肢になります。

適応対象となる方
ご高齢の方(概ね80歳以上が目安)
冠動脈バイパス術の既往がある方
大動脈の高度な石灰化のある方
頸動脈狭窄や慢性閉塞性肺疾患(COPD)、肝硬変などの合併症のある方
胸部に対する外科手術や放射線治療の既往のある方

ただし、慢性透析患者さんは現在のところ適応から除外されています。

TAVIの適応決定

TAVIを行うにあたって、当院では、循環器内科医、心臓血管外科医、麻酔科医、心エコー医、放射線科医、看護師、放射線科技師、体外循環技師などコメディカルを含めた「ハートチーム」を結成し、一例一例丁寧に検討し適応を決めています。

ハイブリッド手術室
TAVIは、血管造影室と同じレベルのX線透視装置を備えた手術室である「ハイブリッド手術室」で行うことが決められています。当院では、2014年1月より国内最大級の広さと最高レベルの清潔度を持つハイブリッド手術室を運用開始しています。ハイブリッド手術室では、TAVIだけでなく、ステントグラフト内挿術やペースメーカー移植術なども行われています。